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★★2ch転職板発 転職サイト&エージェントまとめwiki★★ PRODUCED BY 391◆xYS8ulCm7s(リクエースレ4) あなたは通算 - 人目、本日 - 人目の転職希望者だぉ このwikiの活用方法などはこちらを見るんだぉ 東日本大震災で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。 一日の早い復興をお祈りしております。 被災された皆様や震災に伴い失業された皆様にお役立ていただけるよう、 より充実したコンテンツにしていきたいと思います。 転職活動おすすめ書籍(楽天ブックスにリンクします) 転職面接必勝法 転職者のための面接必勝!ルール 35歳までに天職を探す「転職」の教科書 ★★まとめwikiオススメ記事★★ リクルートエージェントまとめ 転職板「リクルートエージェントスレ」から来た人はこちら DODA(インテリジェンス)まとめ DODAについてまとめたぉ 転職エージェント利用の心得 よくある質問は「リクルートエージェントスレ」の改変だぉ 第二新卒・既卒・フリーターの就活について 就職板スレから無断拝借でつw 第二新卒・既卒・フリーター必見! ★★まとめwiki関連リンク★★ こちら ★★まとめwiki更新情報★★ 取得中です。 <これより前>
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29代目スレ 2009/05/27(水) 【前スレの流れ!】 28代目スレ動く!そしてDBに例えられる第2世代! →免許取得!いい返事のゼラド! →味覚音痴!レイナのありったけの調味料! →ダンスバトル!好きですパンク嘘だけど! →くすぐったいぞ!玉フォームゼラド! →勇気で躍進!ランドの娘のブログが荒れる! →バンプレオリなのか!とんがり頭のおじさん! →ザ・連載クラッシャー!あれもこれも ランルさんのせいだ! →南米縦断!マキネ・アンドー17歳の手紙! →踏んでくれ!律儀 が過ぎるカル!→アメリカNo1モデラー!サッキー咲美は人類の誇り! →はしかのようなも の!久保に挑む子供たち! →スルー!ネタバレされないZSPD! →まわりくどいホワイトデ ー!フクミツシゲユキに騙されるな! →エボリューション!誰がハリウッドを見張るのか!? →今日のルルくじ!善行に励めハザリア! →魔法アイテム!姓名判断の威力! →カノウ家 末子!アルマナとの関連は!? →紫雲家長子!騎士道とはハーレムなり! →南極からの帰還! まずはアシの確保! →5期鬼太郎終演!そして年老いたルパン組! →疑惑の1時間30分!ベッ ドの中でお菓子を食べることの是非! →エイプリルフール!そして終わらない審議! →ガンガン の歴史!ドラクエ狩りは前世紀の遺物! →改造!ゼフィア先輩を人外にせよ! →審美眼!女 心のわかるハーレム脳! →おっぱいバレー!お前らほんとナイスおっぱいだ! →OG外伝か ら幾年月!ゾンビ兵はいつまでゾンビ兵なのか! →久保バッドエンド!しかし姉さん的にはそ うでもない! →レタスの部屋!ゴム製品に狼狽するスレイチェル! →ひとり暮らし!意外と 大変じゃない! →スパロボK!(この妄想スレに存続する価値があるのか?) →けいおん! ギターを習おうとするゼラド! →でんぐり返り!裸になってなにが悪い! →ロリコンなのか! ランディ1/2の趨勢 →アストラ改造!スク水だから2次創作じゃないもん! →狼たちの巣窟! 雀卓のナンブ家! →GW!男子のみの旅行! →マリvsハザリア!闇の帝王の作り方!→スラム ドッグマーズ!リサイクルは命がけ! →温泉卓球!乳揺れに妥協しない紫雲家長子!→名は体を 表さない!DQNネームの子供たち! →スパロボ学園!男の上連雀ちゃんが好きなんや! →男女 攻略!クォヴレーは落とせるのか! →駆けろ新スレ!そしてタッチはホモらせろ! ルアフ「暑かったり寒かったりがかわりばんこに来る季節だけど」 アクア「体調を崩しやすい季節ですから」 ルアフ「まあ、うちはまだコタツ出してるんだけどさ」 アクア「出してるだけならともかく、スイッチは切りましょうよ」 ラミア「鍋の準備などもしているがな」 アクア「なにをしているんですか!」 ヒューゴ「俺なんかドテラ着ちゃいますよ」 アクア「ヒューゴぉ~!?」 ぐつぐつぐつぐつぐつぐつぐつ アクア「なんですか、このハンパな時間のガマン大会は!」 ヒューゴ「シッ、アクア、もうカメラまわってるぞ」 アクア「あぁっ、ヒューゴ! どうしてそうハンパに職務に真面目なの!?」 ヒューゴ「あ、どうも皆さん、ここはですね、 アラドさんとゼオラさんの間に生まれた子供ゼラド・バランガを始め、 バンプレストオリジナルキャラクターの子供たちを捏造して、 どっか旅行行ったり乳を揺らしてみたり、 ダンスしたり音楽したり麻雀したり大いに乳を揺らしてみたり、 あと社会とか親子関係とか人間関係に悩みつつも逆に乳を揺らさなかったり、 あれそういえば全然学校で勉強してないなという事実からは目を逸らしつつも、 最終的には地デジ移行を阻止しようという主旨のスレです」 アクア「ヒューゴ! 地デジに反対なの、ヒューゴ!」 ヒューゴ「俺たちはですね、子供たちが通う学校の先生ってことになっています。 テレビがある家なんて、出かけるときガスの元栓閉め忘れればいいのに、ヒューゴ・メディオです」 アクア「ヒューゴ! もはやテレビが嫌いなの!?」 ラミア「ワンセグ機能とか電池食うし、正直あまり使わない、ラミア・ラブレスだ」 アクア「外付けのバッテリー付ければいいじゃないですか!」 ルアフ「そしてうちじゃブラウン管が現役、ルアフ・ガンエデンさ」 アクア「もはや軽い骨董品じゃないですか!」 ルアフ「もちろん、家具調テレビさ」 ラミア「ああ、テレビが家庭の中心にあった時代」 ヒューゴ「床屋さんのレジの上に鎮座していたあのテレビは、 単なる家電製品だなんて呼べない風格があった」 ルアフ「チャンネルを換えていいのは、上座に座るお父さんだけなのさ」 アクア「ヘンなノスタルジーを発生させないでくださいよ!」 ラミア「そんな中、定額給付金でアクオスを買っている女、アクア・ケントルム先生だ」 アクア「なんですか、その紹介の仕方は! いけないんですか、アクオス買っちゃいけないんですか!」 ラミア「べつに、いけなくはないが」 ルアフ「でも、ねえ」 ヒューゴ「まあ」 アクア「なんですか、その煮え切らない反応は!」 ルアフ「え~と、そもそものことの始まりは 2005年9月5日、20時29分18秒、 『ゼオラとアラドだからゼラド?アララ?』という書き込みがされてだね」 アクア「なんですか、突然」 ヒューゴ「アララとか、どこのバッフクランだよとツッコミを受けつつ」 ラミア「アラドとゼオラはその生い立ちからして子供が出来にくく、 いろいろとネガティブなルートを経てイルイ・バランガなどが誕生するのではないかなどといわれていたが、 バランガバランガ呪文を唱えていたら、なんか無事に誕生した」 アクア「あ、なんですか、成り立ちとか、そういうのを説明するんですか?」 ルアフ「夫婦水入らずの時間が欲しかったのか、それとも単に仕事が忙しかったのか、 バランガ夫妻は家を空けることが多かったんだ。 そんなとき、ゼラドくんの面倒を見ることになったのがなんか居候してたクォヴレー・ゴードンくんだった」 アクア「あれ、でも、クォヴレーさんて3αのエンディングでどこかに旅だったんじゃないんですか?」 ルアフ「バナナ忘れたから帰ってきたんだよ」 アクア「いいんですか、そんな適当なこといって!」 ヒューゴ「タイムダイバーとして並行世界やらなんやら行き来しているクォヴレーさんは、 歳の取り方が普通と違って、いま現在20代前半くらいのお兄さんとして認識されています」 ラミア「タイムダイバーではなく、特に並行世界など行き来していないアクア先生は、 バルトール事件当時すでに23歳であり」 アクア「並行世界です! 私だって、並行世界ばんばん行き来します! だから歳の取り方が違うんです!」 ヒューゴ「アクア、教育者として、そういうその場逃れの出任せをいうのはどうかと思う」 アクア「ごめんなさいヒューゴ! そんな、真面目に叱られるとは思わなかった!」 ラミア「バイオロイドである私は、歳とかあまり関係ない」 ヒューゴ「サイボーグである俺も、また同様です」 ルアフ「齢500歳を越える僕は、いまさら10年20年歳とってもどうってことないしね」 アクア「ズルい! みんなしてズルい!」 ルアフ「当初オムツの替え方すら知らなかったクォヴレーくんだけど、 特にアテにならない背後霊の助言を聞くことなく、順調に育児スキルを伸ばしていったんだ」 アクア「並行世界の平和とかはどうしちゃったんですか」 ヒューゴ「当初は性別すら決まっていなかったゼラドも、 女の子であり、ほっぺがぷにぷにであり、大食らいであり、 幼女でありながら朱ければ3倍という法則を知っていたり、 『てとらくとぅすぐらまどん』と流暢に喋ってみたりする子供に育っていったんだ」 ラミア「一方ディス・アストラナガンはメイドになってみたり、 シートの上でゼラドにおしっこされたりされていた」 ヒューゴ「それはさておき、そマブってなんのことなのかわからなかったり、 そマブってググってみても結局イミわからなかったり、 そマブってなんなんだよって書き込んでもスルーされたり、 そんなこんなでそマブの謎は深まる一方だったんです」 アクア「ヒューゴ! どれだけそマブが気になってるの!?」 ラミア「久しぶりに聞いたぞ、そマブ」 ルアフ「あれ、でもいまググったら出てきたよ?」 アクア「そしてゼラドは、クォヴレーのほかにイルイとかオウカとかに面倒見られつつ、 すくすくと育っていったのであった」 ヒューゴ「でも、人生はそうそう幸福にばかり染められているもんじゃなかった。 ゼラド13歳、このあたりの時期はクォヴレーさんが留守にしていることが多かったらしい。 若干荒れるゼラド、そして募る想い」 アクア「そうか! 少し距離をあければそういうことも!」 ヒューゴ「そんな中、αシリーズきっての乳揺れ主人公の子でありながら、いっさい乳がない少女クリハ、 幼稚園児ながら鞭を振りまわす少女レイナなど、順調に交友関係を深めていった」 アクア「なにごともなかったかのようにスルーされた!?」 ルアフ「ヒューゴ先生とアクア先生の関係は、まあこんな感じだよ」 ラミア「さあ、私の胸で泣くがよい」 アクア「泣いてたまるもんですか!」 ルアフ「アクア先生とラミア先生の関係もこんな感じだよ」 ルアフ「さらにレツヤ・オノデラ、ハザリア・カイツ、ヴィレアム・イェーガー、 レタス・シングウジなど、新しいお友達を次々と作っていくバランガ君」 アクア「すみません、一名、まったく聞き覚えのない名前が混じってたんですけど」 ラミア「まあよくある話だ」 ヒューゴ「あっ」 アクア「ヒューゴ、どうしたのヒューゴ」 ヒューゴ「ディストラさんがメイドの格好してるのは、 開発途中でシヴァーさんち付きのメイドさんが混じったからだっていう記述を見つけてしまいました」 ラミア「見つけなかったことにするんだ」 ヒューゴ「うすっ!」 ルアフ「まあよくある話さ」 ヒューゴ「その後、当初はゼラドと相当年の離れた弟であったはずのアオラが1歳違いの弟になってみたり、 ゼラドたちがサルファ当時の戦場に飛んでいくなどのエピソードがあってみたり、 トウキの名前が影も形もない感じに1スレ目が終了したのであったのです」 ラミア「まあ概ね現在と大差ない状態に仕上がっていったわけだ」 アクア「トウキくんは・・・・・・!」 ラミア「なにか?」 アクア「あれ、いまと大して変わらない」 ルアフ「まあ要約すると、何年経とうが大して変わっちゃいないんだよ」 アクア「そういっちゃうのもどうなんですか」 ラミア「メインテーマは、Sport、Music、Assemble、Peopleだ」 アクア「SMAPです! それはSMAPのキャッチコピーです!」 ヒューゴ「そうか! そマブってSMAPのことだったんだ!」 アクア「ヒューゴ! 『ブ』の存在はどう説明つけるの!?」 ルアフ「まあそこらへんも鑑みて、焼酎10杯いってみようか」 ヒューゴ「うーっす!」 ラミア「軽いものだ」 アクア「ああっ、飲まずにはいられない空気にされた!」 ルアフ「じゃあ、まあ、生徒たちが僕らと一緒に楽しくお酒が飲める年齢になるまで、 頑張っていこうじゃないか」 ヒューゴ「その日が来るのが楽しみっすね!」 ラミア「飲むのはいいが、酔った勢いでDFCスーツを着だして捕まる生徒がでなければよいが」 アクア「捕まりませんよ! DFCスーツは捕まりませんよ! これは正式な社交服ですよ!」 ルアフ「じゃあ安心だね」 アクア「安心です!」 ヒューゴ「すでにアクアは若干酩酊している」 アクア「DFCスーツでなにが悪い!」
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メイジ突撃デッキ コンセプト:MageによるDAに焦点を絞ったデッキ。 Rare CardであるCelerityを中核に据え、更にAvatarをExerted Ability→DB+1にすることにより、 6ターン目ぐらいまでで敵AvatarのHealthをゼロにすることを目的にする。 注意事項 ・このデッキはRareを含みます カードリスト Avatar Wood Elf(Ability Exert→DB+1) Quest U Note To Neclo U Practice The Sorcerous Arts U Concordance Of Research U Spokes Of Tarton s Wheel Draw Deck(50) Ability (22) R 4 Celerity 理想は第1ターンでPlayしてしまうこと 先行ならなお良し C 4 Intensify このCardを活用し、早い段階でAbilityをどんどんPlayすることが重要 C 2 Circle Of Force C 3 Shock Of Fire C 3 Assault U 3 Forge Ahead C 3 Reclaim Item(4) C 4 Steel Dagger Tactic(12) C 2 Mana Sieve 防御コレ一択 C 4 Roaring Flames ネズミで攻めてとりあえず連発しろ R 2 Shifting Sight 奥の手 C 4 Pierce Powを消費しないTacは非常に重要 Unit(12) C 4 Dwarven Sentry 肉盾初級II C 3 Giant Field Rat 優秀なDB要員 C 3 Igneous Adept 鬼DB要員もHealth1なので上手く使わないと終わる U 2 Tellurian Follower 肉盾中級I このDeckに加えるなら? ・Sunstrike……Questを進められてしまった場合の奥の手。Playする場合はかなり「負けそうなとき」なので、枚数少なめでいいかも。 ・Intellectual Superiority……攻め時限定だが、Exertした自Avatarを再びReady状態にする。相手のShieldが固いとき重宝。 ・Disable……なるべくQuestは進めて欲しくないので重宝する。 ・Gambit……Celerityは相手のDisableでよく破壊されるんで、これで拾う。 ・Improvise……ダガーが4本もあるので、これで更にDamageを与えていく。 ・Cyclops Eye……DBを上乗せする。派手好きにオススメ。
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浮かぶ雲によって太陽が遮られた草原の真ん中で、少女は呆然と目の前の地面を見つめていた。 周りからは先程までの喧騒が消え、異様な静寂で満ちている。 何回も失敗を重ね、他の生徒に嘲笑されながらもやっと「サモン・サーヴァント」に成功した その少女、ルイズ・フランボワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの前には、彼女が今召喚したばかりの使い魔がいた。 しかしその使い魔は、彼女が望んでいたドラゴンやサラマンダーなどの幻獣の類ではない。 また、烏や梟、猫や大蛇などの普通の動物でもなかった。 彼女が使い魔として呼び出したもの、そう、それは―――― 植木鉢に植えられた、一本の『草』だったのだ。 「…………何なのよ、これ」 彼女の呟きは、静寂の中を悠々と横切る風に流されていった。 使い魔はゼロのメイジが好き 第一話 何故使い魔を呼ぶ神聖なる儀式「サモン・サーヴァント」で単なる『草』が召喚されたのか、 そしてこれは、一体何なのかというルイズの疑問は、 「…………ぶあっははははははははは!!」 彼女の召喚を見ていた生徒の一人が発した笑い声によってかき消された。 ガラガラ声で笑い続ける彼はその手でルイズを指さし、可笑しくてたまらないというような声で喋り出す。 「流石は『ゼロ』のルイズだぜ!召喚の儀式でただの草を呼び出すなんてよ!」 その声で我に返ったほかの生徒は、彼に同調するように笑い出す。中には、ルイズに罵声を浴びせる者までいた。 「そうよ、珍しく成功したと思ったらこれだもの」 「使い魔ぐらいきちんと呼べよ、ゼロのルイズ!」 「どういう事だよッ!クソッ!草って、どういう事だッ!魔法ナメやがってクソッ!クソッ!」 「……ちょっと間違っただけよ!失敗なんかしてないわ!」 彼らの嘲笑混じりの罵声に、彼女は耳まで真っ赤にして反論する。 そして後ろを振り返り、儀式の監督を行っていた教師に叫んだ。 「ミスタ・コルベール!召喚のやり直しをさせて下さい!」 すると、生徒達の間からローブを纏った頭髪が寂しい男が姿を現した。その表情は困惑しきっている。 彼こそが儀式を監督していた教師、コルベールだった。 「うむ……これは……」 滅多に見ない彼の困った表情を見て、ルイズはもう一度チャンスが貰えるかもしれないという淡い期待を抱いた。 だが、その期待は次の言葉により砕かれることになる。 「いや、それは駄目だ。どんなものを呼び出そうと、召喚だけはやり直す事は出来ない」 その返答に、ルイズは少し苛立つ。やり直せないならどうすればいいのだ。こんな草が使い魔になっても、一体何を してくれるというのだろうか。 いつのまにか出てきた太陽に照らされて、強く輝く彼の頭。それを見るも無残な事にしてやろうか、そんな事を考えている間も コルベールの話は続いていた。 「君も分かっているだろうが、今回呼び出した使い魔で今後の……」 そこまで話したところで、唐突に彼の言葉が止まる。 想像の中で彼の頭の焼畑農業を行っていたルイズも、それに気付いて顔を上げた。 「どうかしましたか?ミスタ・コルベー…」 「み、ミス・ヴァリエール!君、あの『草』に何かしたか?」 その視線はルイズの方には向いていない。ルイズの後ろ、さっき召喚した草の方に向けられていた。 コルベールの顔からはさっきまでの困惑が吹っ飛び、ただ驚きと狼狽の色だけが浮かんでいる。 「『草』ですか?別に私は何もしてませんけど」 急に変わった彼の表情を、彼女は訝しみながら質問に答える。あんな草の何に驚いているんだろう、この人は。 「ならッ!ならあれは何なんだミス・ヴァリエール!答えなさい!」 彼の表情が「驚き」から「焦り」に変わった。まるで、信じられないものでも見たかのように。 その表情に圧倒され、ルイズも後ろを振り返る。半分はこの男に対する呆れの気持ちで、そしてもう半分は恐れの気持ちで。 そして彼女は、本当に信じられないものを見る。魔法を自由に扱うメイジでさえ、思わずうろたえるものを。 後ろを振り返って草を見たルイズ、その鳶色の瞳が瞬時に驚きと困惑、そして恐怖に塗り替えられた。 彼女が呼んだ『草』――――さっきまで確かに萎れて土の上に倒れていたはずの『草』が、起き上がっていた。 言葉さえも出ないルイズとコルベール、そして事の異常さに気付いた生徒達が見守る中、その草はゆっくりと起き上がる。 乾いた地面に水が染み込むように、ゆっくりと、だが力強く。 そして完全に起き上がった『草』は、一度大きく震えると、人間でいう『頭』のような部分を持ちあげる。そこには、猫のような 目と口が存在していた。 不意に、生徒達の一群がどっと崩れた。未知の植物に恐怖した生徒が、この場から逃げ出そうとしたらしい。 逃げようとした生徒と留まろうとした生徒が入り乱れ、たちまち辺りは混乱した。 そんな混乱を愛らしい二つの瞳で見つめながら、この世界に召喚された『猫草』は、そんなの関係ないねとでも言うように 小さな欠伸をして、ウニャンと鳴いた。 To Be Continued...?
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◆ゴッドハンドの転職に必要な物、及び職業 必須アイテム:真・究極の拳 必須称号:称号【天上天下唯我独尊】、称号【天下無双の完全生物】(外なる神を100体以上倒す) 必須スキル:ユニークスキル【殿の矜持EX】【無窮の武錬EX】【狼化EX】or【龍化EX】or【悪霊憑きEX】より二つ 職業:バトルマスター(全種解放)、ベルセルク、ロード、パラディン
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67 :そして転職へ:2009/07/28(火) 20 08 02 ID cZaEJvBY あまりよろしくない天気の中、城への道を歩く少年がいる。 丈夫そうな服と革のベルトに固定した短剣が、彼が一応冒険者 であることを示している。ただその顔は冒険者というよりは 病人とでも表現したほうがいいくらいにドヨンとしていた。 「行きたくないなぁ…。」 そう言ってのろのろと足を引きずる少年は僕だ。目の前に 見えている城門を前にため息をひとつ。 そもそも、状況がどうしてこれほど悪化したのかがわからない。 世界情勢がこれほど緊迫していなければ、勇者の息子というだけで 勇者として徴収…もとい強制連行はされなかったはずだ。 魔界と人間は昔からいがみ合っていた。しかし、お互い相手を 滅ぼしてやるといった程でもなかったはずだった。 (もちろん人間側にはそういった強硬論者がいたが、まず不可能な話) その関係に変化が見られたのは三年前。魔界のドラゴンたちを統べる 竜王がある国の王女をさらい、毒の沼地に囲まれた居城に監禁して しまうといった事件が起きた。その国の勇者が一人、姫の奪還に 成功したそうだが、その後魔族と人間の仲は断絶した。 この事件にはいくつかの不自然な点がある。そもそも仕掛けたのは 竜王のほうなのだから、魔族側に明らかに非があったはず。それなのに ここまでの事態に発展したのは何かしらの理由なしには考えられない。 さらに、国にその事件に関する緘口令が敷かれたことも謎だ。 勇者の栄光を称える凱旋パーティさえも非公式で行われたらしい。 極めつけは王女に王族特権のはく奪が言い渡されたという噂だ。いくら ゴシップ好きの情報屋がいたりしても、ここまで来るとありえない。 兵士に聞かれたら即刻余生を牢獄で過ごすことになるであろうし、第一 理屈としては可能でも、王族特権を奪うなんとことはどの国も 例がない。言ったとしても信じてもらえず、逆に牢屋行き…こんな ハイリスクノーリターンな話題だからこそ逆に信憑性がある。 作り話だったらもう少しうまく作るだろうし。 たとえはく奪の話は嘘でも、王女に何らかの罰が下ったのではないだろうか。 でも、被害者であるはずの王女にどうして? 68 :そして転職へ:2009/07/28(火) 20 08 48 ID cZaEJvBY 「こんにちは。」 物思いにふける僕に後ろから声がかけられた。振り向くと、修道着の少女がいる。 「こんにちは。」 僕も挨拶を返す。 …大きくなったなあ。 この町の教会。そこで僧侶の修行をしている彼女は僕の幼馴染だ。昔は 二人で日が暮れるまで近くの泉で遊びまわっていた。彼女を教会まで送った 後、全力で家まで戻るのが日課だったっけ。 幼馴染だった彼女とも最近はなかなか会えない日が続いた。 時間を見つけて逢うと、必ず彼女は泉に僕を誘った。年頃の娘なんだし、たまには 流行の服でも買ってあげるよ?と僕が切り出しても、ほんの少しだけ涙目になり 「ごめんなさい。でもどうしてもあそこがいいんです。」 と答える。確かに静かで人気もなく落ち着ける場所ではあるが、いい年して 昔みたいにはしゃげる訳でもなく、会話もうまくつなげるか僕は不安だった。 しかし、彼女はうれしそうに誰もいない泉のほとりに腰をおろして、立った ままの僕を見上げる。僕も隣に座り込むと、本当に静かな世界が広がる。 そんなことが続いた。思い返せば、本当に彼女とはずっと一緒だった。 でも、それもしばらくはお休み。今日僕は旅立つから。 「今日、旅立つんですよね?」 目の前の幼馴染、今は半人前僧侶ちゃんが顔を伏せた。顔に少し陰りがある。 「王様に会いに行くんですよね?その間、ここで待たせてもらっていても いいですか?」 少し長い髪が、僕が言うのもなんだが可愛らしい顔を隠す。表情が全く読めない。 「いいけど…どうしたの?大丈夫?」 「…大丈夫です。」 おかしい。いつもの彼女とは雰囲気が違う。 しかし、謁見の予定時刻が迫っている。悪いけど待っててね。 出迎えに出てきた兵士に連れられて、城門をくぐる。ふと振り向いてみると… 泣いていた。 69 :そして転職へ:2009/07/28(火) 20 09 36 ID cZaEJvBY 「勇者よ!よく来てくれた。」 王様の声が響く。貫禄ある体系だが、剣の腕は一流らしい。 「そなたの父の一件まことに気の毒だった。なんでも数万の魔物の大軍相手に たった一人で挑み、力つきて火山に落ちたそうだな。」 噂が勝手に独り歩きしている。大体数万の兵相手に一人で挑む… 人はそれをバカっていうのでは?とはいうものの、真相は語らない。 知られたら僕は終わりだ! 「見事バラモスを討ち果たし、父の仇を取って見せよ。」 「失礼ですが、王様。」 ここで僕は思い切って質問をする。 「なぜここまで魔族と人間の関係がこじれたんです?竜王事件なら既に 竜王が倒されたことでけりはついたはずでは?」 場の空気が凍りついた。いきなり思った以上にまずい質問をしてしまったらしい。 兵士たちが何人か僕の後ろに回り込む。呪衣に身を包んだ魔法使いも 何人か現れた。 …ここまでとは思わなかったな。 「わからない。」としらを切るわけでもなくこの動き。やはり竜王事件は 裏があったというわけだ。しかし、当事国でないこの国でも口封じの 動きがあるっていうことには恐れ入った。 僕の武器は短剣一本。剣で鍛えぬかれた王宮兵士には勝てないのは目に見えている。 …穏便に済ませたいんだけど。 この国は治安が比較的いい。王宮は閉ざされた場所とはいえ、そうたやすく 人は殺せないだろう。殺人なんて珍しいからだ。 第一、人の力じゃ僕には抗えない。短剣しか持たないのは僕にとって 剣があまり重要でないからだ。 しかし、タブーを口にしてしまったらしい身としては警戒は解けない。 短剣をベルトから外して投げ捨て両手をあげる。しかし口は 呪文の詠唱をいつでもできるようにしておく。 父親の呪いとともに引き継いだ技『ジゴスパーク』。人間では扱うことのできない 魔界のいかずちを僕の呪われた血を媒介にして召喚する技だ。 過去一度も実戦経験のない僕が言うのもなんだが、たぶん王国の軍隊でも 一騎士団ぐらいなら一発で仕留められるだろう。 平穏な生活は欲しいが、命が最優先だ。 70 :そして転職へ:2009/07/28(火) 20 10 27 ID cZaEJvBY 「皆の者、さがれ。」 王が低い声で命じた。周りの兵たちはまず王を見て、やがて剣をおさめる。 その間も殺気が一向に衰えないのはさすがというべきだろう。いつでも 斬りかかれるような姿勢は崩していない。 「勇者よ。光の勇者の血を受け継ぐそなたになら、この一件は話しておくべき かもしれぬ。しかし…。」 「心配ご無用です、王様。秘密は守ります。」 王様はしばらく考えていたが、どうやら結論が出たのだろう。 周りの付き人たちが対面の間のすべてのカーテンを閉じ、扉を閉める。 「…逆だったのだ。」 …はあ? 「竜王事件で、国民に伝えられたのは真逆の話。あの事件で拉致監禁されたのは 竜王のほうなのじゃ。」 聞くもおぞましい真実を王様は語りだした。 そもそも、竜王は魔王ではない。魔界には凶暴で強力なドラゴンがあまた いるが、それを統べて意のままに操る魔王は『龍王』であり、『竜王』とは 魔界でドラゴンの知識、体調管理、飼育から子育てにわたりあまたある 項目を優秀な成績で成し遂げたものに贈られる、いわゆるブリーダーライセンス の一種なのだ。知識や勇気はもちろんのこと、凶暴なドラゴンにも注げる優しさ がないとドラゴンの飼育は務まらない。それゆえこの称号は魔界でも権威ある 称号とされ、履歴書にこれが記載されると即採用。当然戸口は狭く、難易度は 魔界で最も難易度の高い大学である邪教大学の神学部の入学試験に匹敵する。 (この大学は実は卒論もハードルが高い。総教授であるハーゴン大司教の意地の 悪い採点がさらに拍車をかけている。) あの事件の被害者である竜王は、まだ成人にも達していない年齢でその資格が 与えられた。家は貧しく着の身着のままの生活だったが、持前の優しさと 真面目さが彼に竜王の称号を与えてくれた。称号とともに得た賞金のほとんどを 女手一つで自分を育ててくれた母に贈った彼は余った金を、人間界にある 没落した貴族の館を買い取り、そこで魔界にはいない人間界のドラゴンの研究を 始めることにした。捕まえたドラゴンは迷宮のような地下で放し飼いにして、 逃走して人間に迷惑がかからぬように毒の沼を館の周りに作った。 ある日、そんな日常が崩れる。 71 :そして転職へ:2009/07/28(火) 20 11 08 ID cZaEJvBY 籠りきりの研究にさすがに彼が疲れてきたある日、彼は近くの王国に 息抜きにきた。今ほど魔界との対立がなかったこの時代、人々は魔族の 彼を物珍しそうに眺めはするが、追い払おうとはまったく思わない。 生まれて初めて見た人間の食べ物ワッフルを買った彼は、どこか落ち着いた 場所で食べようと思い空を飛び、広くてきれいな庭を見つけて降り立った。 幸せそうな顔でワッフルを食べる彼は、彼に向けられている視線にきづく。 見るときれいに着飾った愛らしい少女が、彼をじっと見ている。 彼は笑顔で手招きし、袋からもうひとつワッフルを取り出して渡した。 少女も笑顔になり、二人で静かな時を過ごした。 この庭は実は、宮廷管理の王族別荘。この少女こそ、この国の王女だったのだが…。 その後は以下の通り。 ① 彼に夢中になった王女が父に彼との結婚を願い出る。 ② パパは魔族との結婚など認めません!おまえは黙って政略結婚するのです! ③ 政略結婚相手(どう見てもオッサン)の股間に王女が魔人のごとく蹴りかかり 男として再起不能にする。 ④ じゃあパパは別の政略結婚を考えます。今度の相手はこの方です(既婚)。 ⑤ 魔族の青年に直接告白するも「僕なんかに君はもったいなさすぎるよ。」とのこと ⑥ 監禁。 ⑦ 魔界側から「善良な留学生に対する非人道的な蛮行」と抗議。 ⑧ 勇者達が竜王の解放に向うも、姫の魔法で撃退。 ⑨ なんとか助け出すも、監禁中姫の異常な愛情を受け続けた竜王にうつ病の兆候。 翌年、自殺。 ⑩ 王国の顔を守るため、竜王の犯行とでっちあげる。 ⑪ 王国の発表を真に受けた竜王の母が、「そんな犯罪者を私は産み出してしまった。 償えるものではないが、私の命で勘弁してほしい。」→自殺。 ⑫ のちの調査で真実が明らかになるも、王国側は魔界の抗議を黙殺。 ⑬ 魔族激怒、そして戦争へ…。 72 :そして転職へ:2009/07/28(火) 20 12 09 ID cZaEJvBY 「どう見ても悪いのは人間でしょうがああああ!」 僕は絶叫する。周りの兵士たちも気まずそうに足元を見ている。 「特に竜王の母親の件!いかに王族といえどこれは流刑ものですよ!」 「だからなのじゃ!」 王様が声を張り上げる。 「竜王事件以前から魔界から正式に『殺人鬼バラモス』の処分協力要請が来ていた。 魔界で数多くの魔族を殺害したこいつの首を差し出せば、和睦の可能性もでてくる。 魔界を追われたバラモスは人間界に居城をかまえ住んでいるらしいので、すぐに そいつを仕留めてきてくれ。…ただし、きちんとバラモス本人と確認できるように してほしい。光の勇者の伴侶でありそなたの母にこの依頼をしなかったのは、 魔法がバケモノ以上に強力すぎて、本人と判別できぬくらいにしてしまう可能性を 考慮してのこと。一応魔族にもDNA識別魔法の使い手はいるじゃろうが、なにせ この世に肉片ひとつ残さぬほどの魔法の使い手じゃからのう…。」 母さんの忘れ癖を考えると、「本人と識別できるよう」の部分は忘れるだろう。 ようは、公式ではないにせよ人間は罪を認め、魔族の敵を討伐して和睦の機会を 設けようということらしい。戦争は防がなくてはならない。 …話はわかった。だけど、その役目はほかの誰かに任せよう。僕は 穏やかな日々が望みなんです。 「なお、噂だとバラモスは十回刺さないと死なないらしい。勇者よ、頑張れよ。」 精神的に疲れながら、僕は対面の間をあとにした。 今朝から悪い予感がしていたけど、こんな重い話を聞かされるなんて…。 73 :そして転職へ:2009/07/28(火) 20 14 38 ID cZaEJvBY 外は雨が降っていた。その中で一人、傘もささずに立っている僕の幼馴染。 僕を見つけると、ゆっくりと歩いてきて…静かに泣きだした。 「ど…どうしたの!?」 あわてる僕の手を彼女はぎゅっと握りしめる。ぐずりながら声を絞り出してくる。 「…言えないんです。」 「え?」 「行ってらっしゃいって言えないんです。どんなに頑張っても無理なんです。 涙が邪魔するんです…。う…うぇ…うわあああああん!」 とうとう声をあげて泣き始める彼女。僕はそんな彼女の肩に手をおく。 「…君に頼みがある。僕の旅を手伝ってほしい。」 彼女が顔をあげる。 「嫌ならかまわないんだけど…どう?」 彼女はしばらく僕の顔を眺めて…いきなり僕に抱きついてきた。 連れて行ってください。と泣きじゃくりながら連呼する彼女を抱きかかえながら 僕はあとの二人の構成を考えていた。 「えっ…?」 彼女は驚いたような顔をしている。 「いや、だからさ。これから酒場に行ってあと二人探そうよ。仲間は 多いほうがいいだろ?」 「えっと…私と勇者さんの二人で十分じゃないですか?私はほら…僧侶ですから 回復もできますし。」 普通だったら問題ない。ただ僕には僧侶ちゃんの聖なる回復術は効かない。 僧侶ちゃんの役目はあとの二人の回復にまわることになる。 自分の呪いのことは誰にも話していない。人は自分と違うというそれだけで 差別や中傷をしてしまう生き物だ。ましてや一応光の勇者の息子である 僕が邪悪な呪いに魅入られていると知られたら、どうなるかは目に見えている。 「どうしても行くんですか…?でしたら着替えてからにしましょう。」 彼女が提案してくる。 「魔王を倒す勇者様が雨でびしょ濡れの服を着て酒場に現れたら、ちょっと イメージと違いますよ。一度家に戻って、酒場で集合しませんか? 私も着替えてきますので。」 確かにその通りだ。僕は着替え次第酒場に行くと伝えて、彼女と別れた。 74 :そして転職へ:2009/07/28(火) 20 15 33 ID cZaEJvBY 何が起きたのかはさっぱり分からない。着替え終わった僕が酒場につくと、 そこに酒場はなかった。 石と大木で作られた建物は崩れ去り、ところどころ火の手が上がっている。 時々激しく火の手が上がるのは、木製の樽に入っている酒に火がついて いるのだろう。 「勇者さん!」 一足僕より先に来ていたのだろう。僧侶ちゃんが駆け寄ってくる。 「い、いきなりお店が崩れてきたみたいで…まだ中に人がいるって…。 わ、私あの…その…。」 「とにかくみんなを助け出そう!僧侶さんはけが人の治療にあたってくれ!」 戸惑う幼馴染もとい僧侶ちゃんに指示を出しながら、まだ炎のおさまらぬ瓦礫に 飛び込む僕。熱いけどこの際気にしない。 もともとはドアだったと思われる木材をどけると、人が下敷きになっていた。 ドアが倒れてきたときぶつかったのだろうか。気絶しているが、息はある。 問題は右足。巨大な石に挟まれて、ぴくりとも動かない。 相当の重量がある石だ。たぶん急いで適切な治療を受けないと、 動かなくなるどころか最悪―切断だろう。 迷っている時間はない。炎と煙で遮られた視界を利用して呪文の詠唱を始める。 巨石に左手をたたきつけ、最後のスペルを唱えると、紫の光とともに 巨石が蒸発した。 臓腑がひっくりかえるような感触とめまいがする。体が魔力切れを訴え、 心臓は血管が焼き切れそうなほど鼓動している。 地獄のいかずちは連発できない。次にこのような状況の人がいたら 覚悟を決めなくてはいけないな。 ぐったりしているその人を背負い、僧侶ちゃんのもとへ連れて行く僕。 …あれ? 75 :そして転職へ:2009/07/28(火) 20 17 20 ID cZaEJvBY 僧侶ちゃんのことが頭に浮かんだ瞬間、強い違和感があった。 でも、それがなんなのかは分からない。 第一、 お城の時と何も変わっていいなかったじゃないか。見慣れたものを 見てるのに、なんでそんなことを考えるんだ? 今は非常事態。取るに足らない思いすごしに時間は取れない! 僧侶ちゃんは奮戦していた。 血みどろになり、傷の場所も判別付かぬ人がきても、一目で 致命傷とそうでないものを見分け、回復魔法を唱えていく。 周りにいる人たちも手伝い始め、何人かまた助け出されてきた。 「この人、息してないぞ!」 不意に誰かの叫び声が聞こえる。みると若い女のひとが蒼い顔で倒れている。 急いで近寄り、口元に耳を寄せる…呼吸が止まっている! 目立った外傷はない…パニックで持病でも引き起こされたのか? 急いで顎を固定し、気道を確保する。まずは人工呼吸を… 「駄目です!ぜったいダメ!」 ものすごい声がした。振り返れば僧侶ちゃんが顔を真っ赤にして叫んでいる。 「に…二次感染の恐れがあります!勇者さんはこのあと大切なお役目が あるんですから、大事をとっていただかないと…。」 そんなこと…と言いかけてハッとする。この女性が病気持であろうと 今はそんな場合じゃないのだが、僕の唇が切れているのに気づいたのだ。 普通唾液での感染症はありえないが、血液が混じれば話は別。 そして僕は血液に呪いを持っている。この程度で呪いが広がるとも 考えにくいが、この邪悪な呪いが世の中に広まるリスクは冒せない。 でも、この女性は助けないと! 周りをみると、みんなそれぞれのけが人の対応で手いっぱいだ。 助けを求められる状況じゃない! 76 :そして転職へ:2009/07/28(火) 20 18 06 ID cZaEJvBY 「どいて!アタシが助けるよ。」 不意に女の人の声がして、僕は乱暴に蹴っ飛ばされた。 振り向くと…わぁお! 生と死のはざまのこの場所にはあまりにも場違いかつ不謹慎な体つきの お姉さんが立っていた。うす紫と白を基調とした、衣服というより厚手の 布を巻きつけたかのような格好。それも必要最低限の部分しかおおわない。 ただ、遊び人ではないと一目でわかるのは、その着付けがどんなに激しく 動いても崩れないようにつけられていることだ。 さらに紫の独特の色合いが、あまりにも色気のあるその布が対魔法用の呪衣である ことを物語っている。 顔は当たり前のことだが…美人!栗色の髪を後ろで結わえ、頭に紫の バンダナを付けている。口調こそ厳しいものだけど、きれいな 瞳の中には見たものを落ち着かせるようなやさしs…。 「邪魔!」ぐしゃ! さらに僕を蹴り飛ばした彼女は、そのまま横たわった女の人の胸に 手を当て、呪文の詠唱を始める。 バァン! 鋭い音とともに、女の人の体がびくっと跳ね上がると、しばらく間をおいて 急に激しくせき込み始める。 雷の魔法を使っての除細動!? 振り返りながら僕ににこりと微笑んでくる謎めいたお姉さん。 僕は顔を真っ赤にして、燃え盛る炎の中に再びはいって行った。 …ってか、最初から心臓マッサージすればよかったのかな? 続く
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【 転職 】 アルメ2次 【 転職 】 アルメ2次戦闘錬金術師の能力 転職クエスト 特徴 魔法師に比べて瞬発力がかなり落ちるがパワーにおいては グランドチェイス一のキャラクターである。 爆弾, 地雷, 毒ガス撒布などかめの中で多様な品物を取り出して少ない攻撃して かめの中に入っているアイテムの中からランダムでで一つを取り出すこともできる. 戦闘錬金術士は味方の治療, 全体シールドなど積極的な攻撃とチーム支援 同時にこなすことができる役に立つ職業で、機動力が落ちることを除けば 敵に大きなダメージを飛ばすことができる恐ろしい職業だ. 戦闘錬金術士は黒魔法で敵の目には見えない地雷を設置して, 毒ガスを撒き散らし, バズーカ砲を撃つ、などいっそう強力になった攻撃ができて, 更に白魔法で近くにある味方を治療して, バングオマックを打つなど防御の幅も広くなった. 戦闘錬金術師の能力 黒必殺 Lv1: Bom Dropping :地雷設置 (敵からは見えない) Lv2: Cloud Kill :毒ガス散布(効果は不明) Lv3: Block Buster Expliosion :バズーカ砲(どれほどの規模なのかは不明) 白必殺 Lv1: Cure :味方のHPを回復(魔の白LV3) Lv2: Magic Shild :味方全員にシールド Lv3: Item Create(仮) :アイテム作成(ランダムでアイテムを一つ作成) 特殊技 爆弾投げ 爆弾設置 転職クエスト 戦闘錬金術士に転職するためには転職証明書が必要で転職証明書を得るためにクエストを遂行しなければなりません。 【 ガドセン退治作戦 】 戦闘錬金術師のクエストはヘルブリッジである。 ベルメシア大陸を荒廃化させたカゼアゼの部下ガドセンをとり除きなさい! という女王の命令に従ってガドセンをとり除いてサホンを集めなければならない。 凄まじい地獄の足場でガドセンと対立して戦わなければならない。 6人の戦士が協力しておびただしいパワーを持っているガドセンを退ければ「ガドセンのサホン」を得るようになる。 このサホンを 300個集めれば戦闘錬金術士資格証が与えられて戦闘錬金術士に転職することができる。 【 解説コメント 】 ガドセンは普通に遠征と同じようにヘルブリッジでガドセン一体倒すだけです。 倒せれば全員ポイント貰えます。 【 訓練所 】 「戦闘錬金術士資格証」300個のサホン 「破れた戦闘錬金術士資格証」100個のサホン+2000クレジット おい!実際に戦ってるところが見たいYO!って人は、 グラチェに最初から入ってるリプレイのnesi362氏を参照してください
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場所 山岳世界 体力 24 防御力 攻撃力 ドロップ ノーマル レア 特性 概観 場所 説明 攻撃方法
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霧音色さん、通称”霧ちゃん”。 思い起こせば犬小屋を立ち上げて間もない頃。 まだ少なかったメンバーでお散歩をしていた道中、2次転職のクエストをまさに今からしようとしていた彼女をナンパして早や1年。犬小屋では他の誰の追随をも凌駕する「姉御肌お色気系」キャラとして君臨してらっしゃいまして、欠かせない存在でございます。 ログインしてきた皆さんに明るい挨拶をふりまいたり、えっ何?;という話題でギルドの皆さんを会話に巻き込んだりと、話題の中心にいる事も多い彼女ですが、これまでも、これからも、素敵な看板娘として犬小屋で一緒に過ごしていただければと思います。 彼女とは普段あまり行動を共にする事がなく、時々のボス戦や神社での雑談が主でしたので、どんな方達と普段一緒にいらっしゃるのか気になるところでしたが、転職が終わってからも次々と駆けつける彼女のお友達を見て安心しました。
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176 名前:そして転職へ 9[sage] 投稿日:2009/09/27(日) 13 08 02 ID +Zb+9Sog みなさん、はじめまして。 ぼくのなまえは『めたるすらいむ』っていいます。 ひらがなだけでよみにくい?がまんしてください。 いっしょうけんめいにんげんのことばをおぼえたんです。 さて、ぼくはいまとあるまちのちかくにいます。 めのまえにおんなのこがいます。 ないています。 ぼくをみつけました。 とびかかってきました。 ぼくはつかまりました。 だれかたすけてください。 泣いていた女の子…すなわち盗賊くんは教会の階段を三段跳びで駆け上がり、 勇者(とお邪魔虫S)の病室へと一目散に駆け込んだ。 バタンと開かれるドアと、盗賊くんのうれしそうな声。 「見て、勇者!銀色の珍しい魔物だ!メタルというぐらいだから売れば 高くなるんじゃないかな?私が見つけてきたんだ。この前のパイルドライバー の一件はこれで償わせてくれ!…な…。」 目の前に立ちふさがった不都合な現実が、盗賊くんの口をふさいだ。 真っ白なシーツに広がる、真紅の花。…血? 憎きお邪魔虫がベッドに横たわり、勇者が上に荒い息をして覆いかぶさっていた。 二人とも着衣は乱れ、さっきまで行われていたであろう行為の激しさを 容易に想像できる。 ぽたり。両眼からにじみ出た滴が頬を伝わり、木目の浮き出た床に またひとつ、またひとつと落ちていく。 盗賊くんの心の中には、どこかしら楽観的な自分がいた。 勇者と私は、たとえ勇者が表にださなくても…お互い尊重しあい、助け合い、 何より愛しあえるなかだと。 なのに…。 目の前の光景は…。 「勇者…信じてたのに…あんまりだよぅ…うぇ…うええええええええええん!」 177 名前:そして転職へ 9[sage] 投稿日:2009/09/27(日) 13 09 51 ID +Zb+9Sog 「風邪にはリンゴです。」 僧侶ちゃんが突然切り出してきた。 「リンゴは医者いらずの果物です。風邪ひき勇者さんにはリンゴしかないはずです。 ですから私が剥いて差し上げます…その…ウサギ風に。」 僧侶ちゃんは自分の枕元に置いてあった果物かごからリンゴをひとつ取り出し、 傍らの椅子の上から聖なるナイフを取り出した。 自分の傷も癒えていないのに、痛くないのだろうか? 質問しようとして…僕はやめた。彼女に背を向け横になる。 今、僧侶ちゃんと会話をするのが怖い。今まで付き合ってきたがこんな風に 感じたことなどただの一度もなかったのだ。 鼻歌を歌いながらリンゴの皮をむく僧侶ちゃん。部屋にはその音しか響かない。 さくっ。 「いた!」 聞き捨てならない音と声に僕が飛び起きる。隣の彼女は若干涙目になり 指先を見てめていた。赤い筋がスウと走り、そこから血の線がみるみる 伸びていく。 彼女の隣にはもっと悲惨なものがあった。リンゴのぶつ切りがそこにある。 …僧侶ちゃん?さっき君は皮を剥くと言ってなかった?何コレ。 これでどうやってウサギにするの?皮と一緒にウサギへの進化の過程まで きれいさっぱりそぎ落とされているんですけど。 「…見たな。」 僧侶ちゃんの背後に人魂が揺らめきだす。顔に黒の縦線が入り、 目から輝きが消える。 「…僧侶ちゃん。もしかしてキミ…。」 「…勇者さん。料理ができない女の子ってお嫌いですか?」 「へ?」 「私…料理なんてしたこと無いんです。」 何…だと…。 「…でも、私へこたれません!勇者さんは私がいないと駄目なんです! 私の料理がないと四六時中おなかペコペコでいなくてはなりません! そういうことで…私はこのリンゴを攻略して見せます!」 小さく拳を握りしめる僧侶ちゃん。その横にいる僕の顔は蒼白だ。 料理下手な幼馴染は小説や娯楽本のネタにはなるかもしれないが、 実際それを食べさせられる身としては心底恐ろしい。 「あ…そうだぁ。勇者さん。これからは私が毎日ご飯を作って差し上げます。 …私以外の人が作った料理…絶対に食べてはいけませんからね。 勇者さんのおなかは、私の気持ちがいっぱい詰まった料理でしか満たせないんです。 約束ですよ…?フフフ…痛っ!」 目の前で調理されていくのは、僧侶ちゃんの創作料理『ブラッディ・りんご』。 ざく切りにされ、芯しか残っていないようなリンゴを処女の血で優しく デコレートいたしました…。みたいな? 「喰えるかー!」 178 名前:そして転職へ 9[sage] 投稿日:2009/09/27(日) 13 11 24 ID +Zb+9Sog 僕は熱で朦朧とする頭もなんのそので絶叫する。彼女に対して負い目を感じている のは事実。道中は言うことを聞こう。只、食べ物を粗末にするのは堪忍できない! 「ナイフを貸しなさい僧侶ちゃん!僕がリンゴ剥いてあげるから!」 「嫌!勇者さんは私がいないと何もできない人でいるんです!私が勇者さんを 一生支え続けるんです!勇者さんは私から離れられない人になるんです! それなのにここでリンゴの皮むきから教わったりしたら…私の立場が! 駄目ったら駄目!らめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」 僕は抵抗する僧侶ちゃんに覆いかぶさり、ナイフを奪おうとする。 僧侶ちゃんは僕に必死で抵抗する。第三者の目から見ればバカなことを やっているが、それぞれ熱と興奮で冷静な判断がつかないでいるのだ。 着衣は乱れ、互いの顔には汗の玉が浮かび、呼吸は自然と荒くなる。 やっとのことで僕が彼女の手からナイフを取り戻したその時…。 ガチャ! 「見て、勇者!銀色の珍しい魔物だ!メタルというぐらいだから売れば 高くなるんじゃないかな?私が見つけてきたんだ。この前のパイルドライバー の一件はこれで償わせてくれ!…な…。」 盗賊くんが入ってきた。 僕ら一行の間の悪さは言い表すのも億劫なほどのものだ。このタイミングでは 僕と僧侶ちゃんの関係を誤解されても仕方がない。 しかし、このまるで神にでも嫌われているかのようなタイミングは 一体何だというのだろうか? 部屋に入ってきた盗賊くんは、顔面蒼白で唇をわなわなとふるわせている。 「勇者…信じてたのに…あんまりだよぅ…うぇ…うええええええええええん!」 「ちょ…違うんだ盗賊くん!誤解なんだよ!」 「クスッ。とことん無粋な方なのですね。…雌犬。」 かすかな笑い声とともに聞こえてきた僧侶ちゃんの言葉。僕は信じられない 気持で。彼女の方を見た。 …ああ、やっぱり違う。昔静かな湖畔で見せてくれたあの優しそうな 笑みは見当たらない。 他の人にはわからないであろう幽かな笑い方の違い。それが僕にはよりつらく感じられる。 一緒に変わらぬまま過ごしてきた分、彼女が少しでも変化していることに 言いようのない恐怖心が心にわき起こるから。 「見ての通り、勇者さんと私は結ばれました。折角ですから祝福して いただけませんか?」 179 名前:そして転職へ 9[sage] 投稿日:2009/09/27(日) 13 12 17 ID +Zb+9Sog 「な…!僧侶ちゃん!嘘も大概に…。」 僕が僧侶ちゃんを叱ろうとした時、僧侶ちゃんと僕の目が合った。 黒い瞳が不気味な光を放つ。 ダメデスヨ、ユウシャサン。ワタシニサカラッテハ。 僕の唇が見えない力によって麻痺させられたように力を失った。 「処女の血で汚されたシーツ、乱れた着衣…これ以上の説明は不要でしょう? 私と勇者さんの愛の営みを祝福するつもりがないならお引き取り下さい。」 状況はあっているよ!だけど描写が間違っているでしょ! 処女の血って…処女が流した血ってことでしょうが!大体僕ズボン履いたままだし! 盗賊くん、気づいてよ!これは僕のアホな幼馴染がリンゴの皮むきで自爆した だけの産物であって…。 「勇者!ゆうしゃゆうしゃ…わああああああああああああん!」 ただその場で駄々をこねる子供のように泣きじゃくる盗賊くん。 よほどの興奮状態なのか、僕の話が耳に入っていない。 そして、とうとう堪え切れなくなったのだろうか?抱えていた銀の 物体を放り出し、走り去っていってしまった。 「…僧侶ちゃん。後で盗賊くんに謝ろう。」 「どうしてです?すこしからかっただけではありませんか。」 「駄目だよ!彼女が傷ついているのは分かっているだろう? 盗賊くんはデリケートなんだから、少々の悪戯でも深く傷つくこともあるでしょ? 大体、なんでそんなに盗賊くんを嫌うのさ!?」 「盗賊だからです。私から大切なものを奪おうとするからです。」 「あんなにまで酷いからかい方をしてまで僧侶ちゃんが守りたいものって何!? 仲間より大事なものって何なのさ!?」 「…ここまで鈍い人だとは、正直考えていませんでした。まあ、可愛いですけど。」 「…?」 僕が言葉の意味を理解できず、悩んでいると。 180 名前:そして転職へ 9[sage] 投稿日:2009/09/27(日) 13 13 25 ID +Zb+9Sog 「勇者ク~ン。薬買ってきたよ。」 魔法使いさんだ。僕を視界におさめるとにこりと微笑んでくれる。 その笑みに少し荒んでいた心が柔らかくなるが、なんだろう? 少し僕を見る目が以前と違う気がする。何か熱を持っているような…。 僧侶ちゃんが僕の袖を引く。『デレデレするな』?分かったよ。 「ありゃりゃ?どうしたのこの状況。」 僕はふてくされたような表情を浮かべる僧侶ちゃんを視界に入れながら 状況を詳しく説明した。 「なるほど。じゃあ、アタシが連れ戻してくるから二人とも寝てて。 …勇者クン。本当に間違いを犯しちゃだめだぞ!」 いたずらなスマイルを残し再び出ていく魔法使いさん。癒される~。 「うわぁ。すごくびじんなひとですね。」 …誰? 僕と僧侶ちゃんは顔を見合わせる。子供のような少し高めの声だ。 「ここですよ、ここ。」 メ…メタルスライム!? 「はじめまして。ぼくはめたるすら…うわ!やめて!こうげきしないで! うひゃああああああ!?」 僕の中に眠る冒険者としての本能が呼びさまされる。この世界で生きる者は どうもこの魔物に対しては情けが無くなるのだ。こいつを倒せば僕は 冒険者として高みに…。 「めっせんじゃー!ぼくはゆうしゃさんへのめっせんじゃーです!」 181 名前:そして転職へ 9[sage] 投稿日:2009/09/27(日) 13 14 25 ID +Zb+9Sog 「ゆうしゃ…私は、お前のことが…。」 町から離れた森の一角。古びた切り株の上に腰を下ろし、盗賊くんは独り 犬のぬいぐるみを抱きしめていた。 「…好きだ。今も、好きだ。」 しまっていた気持ちを言の葉に紡ぐ。森の中を涼しい風が音をたてて 通り過ぎていく。 盗賊くんが旅をする理由。それは勇者。ただそれだけ。 だから、どんな危険な旅でも恐れない。 「私は盗賊。盗み出すのが仕事。…ならば…!」 勇者のいる教会の方角に強いまなざしを向ける。そして…。 「出て来い。いるのは分かっている。」 盗賊くんが、一本の大木に向けて言い放った。 「先ほどから私の様子を観察していたな?何者だ貴様。姿を見せろ!」 ナイフを抜き、構える盗賊くん。油断のない構えが見えない敵を見据える。 盗賊くんの左足が地を蹴ったと思うと、次の瞬間には盗賊くんは大木の すぐ近くに迫っていた。 まったくの無音で間合いを詰めたのち、素早く大木の後ろ…敵のいる 方面へ回り込み、ナイフで一閃する。 しかし、その刃が大木の裏に潜んでいた影に届くことはなかった。 影の呪文の詠唱が響き、盗賊くんへ炸裂する。 「この呪文は…!なぜお前が!?」 森の中、盗賊くんの悲鳴が響きわたり…やがて静かな森に戻った。 182 名前:そして転職へ 9[sage] 投稿日:2009/09/27(日) 13 15 34 ID +Zb+9Sog ベッドに腰掛け、僕は眼を丸くしてスライムの話に聞き入っていた。 「船を出してくれる?次の町で?」 スライムはうなずく。 山に囲まれた地形に位置するダーマ。その近くの山の麓にある海洋貿易国 ポルトガ。造船業の町から始まり、恵まれた海洋資源を利用して たった数代で有数の超大国になった国だ。 ここに着けばダーマの神殿は目と鼻の先。 話によると、その国の近くで最近名をあげている謎の盗賊『カンダタ』が 勇者の僕に会って直接話がしたいというのだ。 スライムはその話を僕に持ってきてくれたらしい。 次の町から出ている船を手配したので、いそいでポルトガまで向かってくれ ということなのだ。 「聞いたことがあります。素顔を見せぬ謎の盗賊…。おそろしく強く、 あくどい商人から奪った金品を貧しい方達に配り歩く義賊…。 そんな人がなぜ勇者さんに…?」 理由は分からない。何かの罠かもしれないが、メタルスライムを メッセンジャーに起用するあたりが罠にしては手が込みすぎている。 一流の魔物使いでない限り、このような真似はできないだろう。 「分かった。僕たちはポルトガに向かう。…それでいいですか、僧侶ちゃん。」 「ええ、結構です。」 にこりと僧侶ちゃんは笑った。 「起きて、盗賊クン。おきなさ~い!」 盗賊くんの目が開く。魔法使いさんが傍らに座り、ほほを軽くたたいている。 「よかった起きて。倒れているのを見つけたんだ。気分どう?」 「魔法使い…?私は何を…ウッ!?」 頭が割れるように痛む。自分が何をしていたのかさっぱり思い出せない。 加えて、頭の中にかすかだが変な声が響くのだ。 「う…ううううううう。頭が割れる…。」 「ありゃりゃ。どうしたの?誰にやられたの?」 「ううう?やられた?私が…か?」 駄目だ。さっぱり思い出せない。頭が痛い。自我を保てない。自分が自分で 無くなるかのようだ。 「…大丈夫だよ盗賊クン。外傷はないみたいだし、一日休めば楽になるかもよ? 勇者クンも僧侶チャンもまだ調子戻らないし。おぶってあげるから 帰りましょ。」 崩れ落ちるように魔法使いさんの背に体を預ける盗賊くん。 「…ゆうしゃ…わたしは…。」 ぽつりと言葉を残すと、盗賊くんの意識は闇に落ちた。 183 名前:そして転職へ 9[sage] 投稿日:2009/09/27(日) 13 16 44 ID +Zb+9Sog それとほほ時を同じくして、ここはとある山に隠された洞窟。 国が急発展するとともに増えた盗賊たちをとらえるための牢獄だったところだ。 もう国はこの牢獄を放棄したが、ここは今も使われている…魔物の 住処として、そして盗賊団のアジトとして。 ぐおおおおおおおおおおおおおお! 雄たけびをあげて、オオカミ型の魔物が牙をむき出しながら人影に向かい 飛びかかっていく。 後を追うようにたくさんの同種の魔物が一斉に襲い掛かる。 彼らの凶暴な攻撃は、城の兵士の鋼の防備もものともせぬほど強力だ。 加えてこの大軍。標的の運命はきまったようなものだったが…。 「地獄のいかずち。」 なにやら聞いたような単語を人影が口にし、呪文を唱えると紫色の 稲妻が魔物の群れを蹴散らしていく。 肉が焦げる音が辺りに広がっていく中、ひとつ目の巨人が人影の 後ろに回り込み、何もかも粉砕する大棍棒を振り上げ、その 脳天をカチ割ろうと…。 「うりゃ。」 横なぎの一閃。剣というより斧の形状をしたソレはまるで熱した ナイフでバターを切るように巨人の胴体を割った。 人骨のような黄ばんだ白身の武器、その武器には赤く眼を光らせる 髑髏が笑っている。 そしてそれを軽々と扱う人影…男は、年の程四〇前後といったところだろうか。 精悍な顔だちをしているが、口元は無精ひげでおおわれどこか荒々しさを 感じさせる風貌だ。くわえて男の体にはひどいやけどの跡がある。 「うーい。アジトの大掃除、終わり。」 ぽつりと男はつぶやくと、無造作に剣を投げ捨てる。 管理しておく必要はない。この男以外世の中でこの剣を扱える人間は いないのだから、盗まれる心配はないのだ。 「…早くこねえかな、アイツ。もうそろそろメッセージが届いているころだろ。」 ぽつりとつぶやいた男の眼には、どこか暖かい光があった。